新・医療ビジネスの闇: “病気産生”による日本崩壊の実態

崎谷博征

アメリカをはじめとした世界の医療現場ではびこる「病気ビジネス」。この恐ろしい現実の正体は、私たちの健康を損ねるような加工食品や化学物質などを大量に産出しながら、一方で薬を中心とした現代医療での治療を提供するマッチポンプビジネスだ。その主役と言ってもいい存在が、ファイザーやメルクといった世界規模の製薬会社。製薬会社にとってのマーケット拡大とは「病気が増えること」であるため、病気を新たに“創作”することは金脈を掘り当てることに等しい。そのため、アメリカの製薬業界は行政府に最大規模のロビイングを行い、また新薬の審査や副作用のチェックなどを管轄するFDA(アメリカ食品医薬品局)に資金を注入し支配することで、新薬の承認スピードを加速化させるほか、医薬品の安全モニタリングや認可した後の医薬品製造基準の遵守状況の監視などが甘くなるよう誘導しているのだ。そんな製薬会社のターゲットは慢性病と子供だという。いずれも長期間にわたって、あるいは死ぬまで薬を服用させることができるので、願ってもないクライアントになるからだそうだ。こうした製薬会社を所有しているのは優生思想の塊のような欧米支配層。そんな彼らが、症状を抑えるだけの対症療法に終始する医薬品の開発にだけ勤しみ、病気を根本的に治療する医薬品を作るはずがないというから開いた口が塞がらない。

とはいえ、度重なる副作用の深刻化により大手製薬会社は多大な訴訟を抱えるようになり、その罰金や和解金の支払いで経営が圧迫され始めてきた。そこで彼らは、確実に利益が出て訴訟のない商品へと舵を切り出した。その商品の一番手が「ワクチン事業」だ。ワクチンとは感染症を予防するためのものだが、そもそも感染症の蔓延を防ぎ撲滅させるには、環境を衛生に保つことで事が足りワクチンは必要ない。そんな中でも、製薬会社は開発途上国支援と銘打ってのワクチン供給による金儲けに余念がない。また、ワクチンは製造責任が追及されずに利益をむさぼることができる「打ち出の小槌」だという。ほかの医薬品では副作用のために多数の訴訟や賠償金が課せられることがあるため、製薬会社はこぞってワクチン製造にシフトしているというから笑うに笑えない。

ほかにも、サーズや鳥インフルエンザなどのパンデミックを煽りボロ儲けを目論む医療現場、製薬会社へ投資をするビル・ゲイツ財団の目論見、遺伝子組み換え食品などで世界の食糧支配を企む勢力の実態など、読めば読むほど普段口にしている食品や菓子、風邪薬でさえ懐疑的になってしまう現実が次々と飛び出してくる。そんな中でも、著者であり現役の医師でもある崎谷博征氏が最も警告しているのが、完全に一部の勢力が儲かるシステムと化してしまったアメリカの医療現場がそのまま日本に置き換えられる可能性があるということ。そのトリガーとなるのがTPP。軽々しく導入してしまったら、病院の株式会社化、国民皆保険制度の崩壊、金持ちしか治療を受けられない医療差別など、日本において聖域とされてきた医療が一部のアメリカ人を富ませるための草刈り場となってしまう危険性を孕んでいる。この亡国的事態に陥る前に、崎谷氏の警告に危機感を募らせるとともに、氏からのアドバイスにも耳を傾けたい。それは「私たちが『病気ビジネス』から逃れるために必要なことは、まず病気ビジネスに組み込まれている現代医療から離れて、自分の健康管理を決して医師や病院任せにしないこと」。医療現場からの勇気ある告発に敬意を表したい。


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