今こそ、韓国に謝ろう

百田尚樹

韓国に対するすべての補償は、1965年の日韓基本条約と同時に締結された日韓請求権・経済協力協定において、最終的かつ完全に済ませているにも関わらず、年を追うごとにますますヒステリックに謝罪と賠償を叫ぶ韓国人の姿を見て、なんと品性下劣な国であり、あさましい民族であるかと呆れてしまう。これが、少しでも韓国の実態を知った日本人の一般的な認識だろう。だが、著者の百田尚樹氏の見解は違う。日韓併合の歴史を調べていくうちに、日本が朝鮮および朝鮮人に対して行った悪行を知って愕然とし、「日本は韓国に謝らなければならない!」と考えを改めたというのだ。さらに、ひとつの国家と民族が35年間の長きにわたってこれほどまでの仕打ちをされれば、朴槿恵前大統領が「1000年恨む」と言ったことも理解できるという。百田氏と言えば、保守言論界の代表的な存在であり、ツイッターなどで日本を貶める言説に対して舌鋒鋭く反論していた方だったはず。そんな氏の考えを一変するほどの、朝鮮半島統治時代に日本がしたこととはいったい。懺悔の念を抱きながら読みたい。

・併合後、日本は朝鮮全土に小学校を建てた。その結果、90%以上もあった文盲率は劇的に改善されたが、それは使える労働者を育成するためだけであってのこと。自由奔放に生きるべき子供たちに無理やり就学させてしたくもない勉強を強要したのだ。
・日本は朝鮮に文字を普及させた。それがハングルなのだが、もともと下層階級が使う文字だった。現在、一部で漢字が使われる以外、本や新聞などほとんどハングル。日本は朝鮮人の意向も聞かず勝手に一国の文字文化を変えてしまったのだ。
・日本は朝鮮にダムや橋などのインフラを整えたが、これも間違いだった。台湾では烏頭山ダムを作った八田與一が愛されているが、朝鮮半島では名前すら残っていない。朝鮮人が望んでいないものを作ったから当たり前だ。
・日本は乳出しチョゴリを禁止した。しかし、チョゴリから乳を出すことは長男を産んだ女性だけに許された特権。日本は、朝鮮人女性から誇りを奪い汚してしまったのだ。

あとは本書を参照してもらいたいが、百田氏は朝鮮人を嘘をつかない善良な民族としているものの、さすがに勘違いによる誤解には異議を述べている。それは、日本が朝鮮から奪ったとされる、主権、国王、国語、人命、姓名、土地、資源のいわゆる「七奪」。だがそれもこれも、日本が勝手にやったことで朝鮮人が望んだことではないので、勘違いするのも無理はないとしている。また、世界中のあらゆる文物はすべて韓国起源であるというウリジナル。これも悲しいことに、日本に責任がある。併合時代に、優れた日本文化が次々に入ってくるのを見て、どれほど羨ましくまた情けない思いをさせてしまったことか。日本は朝鮮人に深い屈辱感を植え付けてしまったのだ。そのコンプレックスを跳ね返すために、日本のものを韓国発祥であると主張させてしまっている日本の罪はあまりに重い。最後に、百田氏は「韓国人は日本を自国と思っている」という説で締める。日本は朝鮮全土の様相を一変させただけでなく、人までも刷り込みによって変節させていたのだ。

本書を読み終わる頃には、今後私たち日本人が韓国・朝鮮人にどのような態度を示していけばいいか、その道しるべがはっきりと見えてくるだろう。


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