検察の罠

森ゆうこ

迂回献金を受けたとされる西松建設事件、そして土地登記の虚偽記載で告発された陸山会事件と、立て続けに糾弾された小沢一郎。その仕掛け人となったのが、東京地検特捜部をはじめとする日本の司法機関。マスコミを引き込んだ小沢バッシングが吹き荒れ、次々と秘書が逮捕されていく中、民主党・森ゆうこ参議院議員が検察の暗部を探るべく奔走する。

森議員は検察、そして司法官僚のトップに切り込み追い詰めることに成功。調べれば調べるほど小沢逮捕につながる事実は出てこず、代わりに捏造に捏造を重ねた文書や状況証拠だけが出てきたのだ。結局、小沢氏は無罪となる。

だが、問題の本質はそこにはない。その本質とはつまり、検察の尻を叩いて小沢バッシングを繰り広げた黒幕の存在である。本書を最後まで読めばその黒幕が何であるか容易に思い至ると同時に、日本の司法機関の現状に戦慄を覚えるかもしれない。


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