「日本人よ、目を覚ませ。いつまでも下を向いたまま戦後を引きずっていくつもりか。靖国の英霊に対して恥ずかしくはないのか」。ここ最近で、こうした言説が普通に聞かれるようになった。この風潮の中、日本のことを真剣に考える機会が格段に増え、自発的に歴史を勉強し直したり靖国神社に参拝したり、または愛国デモと呼ばれる日本の主権侵害に抗議の声を上げる活動に参加する人も多くなってきたことを私自身肌で感じている。そのきっかけとなったのは、何も突然のインスピレーションにより愛国者としての啓示を受けたということではなく、「日本が敵対勢力から現在進行形で侵略を受けており崩壊しかけている」という危機感を感じ取ったからである。さらにもっと言えば、いま日本が危機に瀕しているという現実を知ったのは、テレビでも新聞でもなく、インターネットだ。その生々しい情報の羅列について確実性や信頼性は一切保証されていないが、調べれば調べるほど、そして情報リテラシーが研ぎ澄まされればされるほど、日本が置かれているあまりにも後がない現実から目を背けることができないことに気づく。それを何とか阻止したい、日本を守りたいという強い使命感を胸に、ひとりまたひとりと、手に心に日の丸を掲げるのだ。
本書の著者・井上太郎氏もそうした日本人のひとりだ。井上氏の言論の場はインターネットであり、主にツイッターでの情報提供に力を入れている。本書はそのつぶやきを一冊の本にまとめたものだ。井上氏は、第1章で先の民主党政権で私たちにありありと見せつけられた反日左翼の恐怖、第2章で在日諸団体を通じて日本にタカリつつ蚕食していく南朝鮮(本書の表記ママ)の傲慢、第3章で日本人拉致事件の裏側に隠された北朝鮮の意図を暴露し、私たち日本人に警告というより国家存亡をかけた非常事態宣言を通告する。日本は周辺3ヶ国から尖閣強奪、竹島侵略、ミサイル発射と、度重なる敵対行為に晒されており、もちろんそうした目に見える表立った挑発も深刻ではあるのは変わらないのだが、日本内部に巣食う見えない敵に対して強い警戒心を持っていないことのほうがもっと問題だ。日本人は国内でテロや暴動など起こるはずもないという誤った認識を持っているが、奴らはそんな日本人を嘲笑いながら日本沈没のための石塁崩しにいまも励んでいる。別に四六時中、特アのスパイ警戒に勤しめと言いたいわけではないが、私たち一般人でもほんの小さな努力で奴らの計画を粉砕する方法はある。そのための指南書としても本書は大きな一助となるだろう。