偽情報退散! マスコミとお金は人の幸せをこうして食べている

THINKER

ひと昔前、どのTV局でも放送していた少年向けSFアニメには、必ずと言っていいほど、ヒーローの敵役に「世界征服を企む博士」が登場する。ミニチュアの地球を見下ろしながら、不敵な笑みのもと、凶悪な殺人ロボットを送り込むというのがよくある人物像だろう。いま思い浮かべてみると滑稽に過ぎないが、純粋な少年に正義心を植え付けるための必要悪であったことには変わりない。だが、これが作り話ではないとしたらどうだろう。本当に世界征服を企み、私たち地球に住む人間を支配しようと、アゴをしゃくりながら謀を巡らしている人たちがいるとしたらどうだろう。

それを知るためのキーワードが「国際銀行家」。ヨーロッパは中世、しがない両替商だったユダヤ人がやがて巨大銀行家として君臨し、全世界のお金の流れを支配するに至った一族がいる。ロスチャイルド財閥という名前を聞いたことはあるだろう。彼ら(ロックフェラー財閥含む)は、世界の中央銀行を手中に収めて金融を我が物にすると、産業、マスコミ、戦争、環境、薬品、食品など、世界じゅうに散らばる配下企業を手足のように操り、文字どおり世界を動かしている。卑近なところでは、いま見たばかりの報道番組、感染予防になると聞いて接種したワクチン、食卓では不可欠ではあるが人体に悪影響のある調味料、歯を強くするという触れ込みのフッ素配合歯磨きなど、私たちはすべて彼ら国際銀行家の思うがままに踊らされているのだという。

これを陰謀論と片付けるのは容易い。だが、インターネットの普及により、マスコミの流す情報をはじめ、現在では当然になっている行動原理の一つひとつに疑問符が付けられるようになった。著者はマスコミ礼賛の現代社会を異様な宗教儀式と揶揄する一方で、目先のお金や又聞きの情報に惑わされることなく、まず立ち止まって自ら考え調べ、同じく疑問を持った仲間と共に答えを導いていくことが重要であると結ぶ。本書は読み物として最高に面白いし、知的好奇心を大いに刺激してくれる極上のリアリティに溢れていると断言できる。だからこそ、手に取ってもらいたい。テレビや新聞の報道の裏に、「世界征服を企む博士」が潜んでいるのが見えてくるに違いない。


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