中国共産党3年以内に崩壊する!?

宮崎正弘

チャイナウオッチャーの宮崎正弘氏が「いよいよ始まったな」と眼光を光らせた。2013年7月、年利18%という信じられない高利をうたって投資家400人から10億円前後を集めていた、江蘇省の投資会社が突然営業を停止した。折しも、シャドーバンキングの象徴である「理財商品(高利回り金融商品)」のデフォルトリスクが巷間ささやかれていたときだった。そんな中、香港の雑誌フロンティアが「3年以内に中国共産党は崩壊」という衝撃的な記事を掲載。具体的なプロセスは「2014年に中国の経済が崩壊し、2015年に共産党の秩序が破壊され、2016年に社会全体が昏睡状態に陥る」というものだった。猛烈な経済成長によりGDP世界第二位を奪取するや、著しい軍備拡張で周辺諸国を脅かしている中国の屋台骨が音を立てて崩れ始めた。

「2014年に中国の経済が崩壊し」。もはや崩壊は始まっている。つい最近も、理財商品の投資先であった山西省の石炭会社が経営危機に瀕し、投資家への返済が行き詰まりデフォルトになりかけたというニュースがあった。その後どうにかなったようだが、こうしたデフォルト危機は毎月のように起こることが予想されている。また、開発と称して農地を召し上げて建造された高層マンションが各地に建っているが、入居者やテナントがほとんど入らずゴーストタウン状態。政府高官は賄賂で私腹を肥やす一方、大量の不良債権が発生する見込みだという。こうした情勢を受け、香港の大富豪・李嘉誠は、中国に所有しているビルやデパートを軒並み売却した。沈む船から逃げるネズミのごとし、であろうか。

「2015年に共産党の秩序が破壊され」。共産党=中国と大きく捉えても、共産党=政府と小さく捉えても、その秩序の紊乱ぶりは目も当てられない。2013年10月に起きた天安門広場での自爆テロ事件は記憶に新しいが、その衝撃的な事件の数日後には山西省の共産党委員会ビルを狙った連続爆破事件が発生した。犯人はウイグル人だのチベット人だの言われているが、漢族に対するこのような報復行為が頻発している。これらの反動を武力で鎮圧しているのが共産党の私兵である人民解放軍であるのだが、彼らを顎で使っている共産党高官が、党内の権力闘争に明け暮れ、不正蓄財に精を出し、家族親族を安全な海外へと逃している現状を目の当たりにして、果たしていつまでも命令に忠実でいられるものだろうか。

「2016年に社会全体が昏睡状態に陥る」。経済崩壊が先か、秩序破壊が先かは、卵が先か鶏が先かの水掛け論になってしまうかもしれない。たとえ2016年まで中国が国を保ち得たとしても、それでもまだ習近平は「戦争の準備をしろ!」などと獅子吼するのだろうか。2012年9月に中国各地で起きた反日暴動では、私たちは日本の尖閣諸島国有化に反発した中国人民が日系企業の工場やデパートを破壊して回ったという報道を受けた。だが、その実態は、「裸官下台(汚職高官はやめろ)」というプラカードを掲げ内政への不満をぶちまけたり、そもそもターゲットを日系企業とせず市政府庁舎に押しかけパトカーを横転させて気勢を上げるなどした反政府暴動であった。それまでデモを煽っていた政府は空気の流れを読み、デモの抑制、弾圧に切り替えたのだという。人民、特に農民の不満は年々高まっている。

中国の崩壊は本当に3年かもしれないし、もっと先かもしれないし、もしかしたら明日かもしれない。日本も一枚岩ではないが、この膨張しすぎた超大国が崩壊したとき、どのように巻き添えのダメージを最小限で抑えるかの準備をしておく必要がある。中国からはますます目が離せない。


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