ブログ飯 個性を収入に変える生き方

染谷昌利

「ブログで飯を食う」と決意し脱サラした30代男性が、数年間の紆余曲折を経ながら、一家(妻ひとり、子ひとり、猫一匹)を養えるまでに実現したアフィリエイト(&アドセンス)稼業の極意を伝授。IT関係の知識ゼロでもできる、アフィリエイト戦略を進める上での心構えや考え方を中心に、自分の個性をネットで収入に変える方法を解説する。

アフィリエイトというと、高度なSEO知識や検索エンジンのアルゴリズムの理解、はたまた実体のないブログからの過大な被リンク獲得というという物量戦略などが思い浮かぶが、筆者が取ったやり方は実に「質素・堅実・忍耐」そのもの。二流のSEO業者がやるような悪質な即効性に走るのではなく、ブログのネタ集めのためニッチだが注目を集めそうなトピックを見極め、試行錯誤することで訴求力のある文章力を高め、そして何より継続してブログを更新していくことで信頼性を得る。この一見地味な活動が実を結んだことにより、現在のブログ飯生活があるという。

ただコツコツと地道にやっていくことで必ず成果が出るわけでもないし、本書には記載されていない(されるはずのない)筆者ならではの企業秘密もあるはず。だが、それでも数あるアフィリエイト本と一線を画しているところは、はじめに「楽して稼げるわけではない」と断りを入れた上で、やわらかい文体の中にも「これを守れなければアフィリエイト生活する資格はありませんよ」と釘を刺しているところ。というわけで、本書は純粋なメソッド本ではなく、アフィリエイトを始める心構えを学ぶ指南書と位置づけたほうがいいかもしれない。「すぐ稼げる!」とか「一ヶ月で○百万円!」といったアジりに彩られた関連書にまだ後ろ髪を引かれるのであれば、まず本書を手にとってほうがはるかに有益だろう。

なお、巻末に掲載されている、筆者の奥さんが書いたコラムが面白い。夫が突然会社を辞めてアフィリエイトで稼ぐことを許した経緯、なかなか結果が出ないときどのように発破をかけたか、そして安定した収入が見込めない状態の家庭とはいったいどのようなものなのか。とにかく、アフィリエイトで食っていくには理解のある家族が不可欠という現実がよく分かる。ちなみに、私も小遣い稼ぎ程度でアフィリエイトをやっているが、稼ぎは月に数十円ほど。継続性に乏しい私にとって、この数十円の収入でもうれしいと思うのが華だなと思うのである。


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