ぼくらの日本

三橋貴明

著者の三橋貴明氏が、東日本大震災で壊滅的被害に遭った東北の被災地、対外負債を返済するために外国人(アメリカ人)に土地を売った結果国家を失うことになってしまったハワイ、ようやく民主化されたと言えど国内のインフラが未熟のため経済発展の緒にもついていないミャンマーを訪れ、国民国家としての日本のあるべき姿を浮き彫りにする。

明快な論理でデフレ経済や情報の歪みなどを語る三橋氏が、閉塞感漂う現代社会で希望を失いかけている若者に向け、決して失ってはならない国家像を語る。その若者とは、バブル崩壊後に社会人となり「経済成長」を知らない世代のこと。彼らは道路や鉄道、橋梁といったインフラが、成長の礎石となる「国富」であることをどれだけ知っているだろうか。そして、公共事業悪玉論による財政支出削減でインフラ投資が減り、国家が脆弱になっていることをどれだけ知っているだろうか。

中学時代にバブルが弾け大卒時に超就職氷河期を迎えた僕は、経済成長のことは教科書で習った程度で、社会人として現実に体験したことはない。デフレが深刻化していくにつれ日本復活など絵空事であり、このまま一生経済発展などするはずがないと匙を投げていた。もう日本は終わったと……。これは僕だけの実感ではないはずだ。だからこそ、30~40代の人にこの本を読んでもらいたい。そして、経済成長(所得を増やす)を実現するために、次の総選挙こそ、マスコミに騙されることなく正しい判断をしてほしいと強く思う。


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