始めよう。瞑想―15分でできるココロとアタマのストレッチ

宝彩有菜

1日たった15分瞑想するだけで、心も体もこれまでとはまるで別人のように生き生きとしてくる。そのコツは、頭の中からすべての邪念を取り除き、何も考えない状態を継続すること。ともすれば宗教的な儀式と勘違いされがちではあるが、「瞑想は科学である」という視点から、その心得から効用に至るまでが綴られた一冊だ。

冒頭の50ページに、瞑想の方法論として、その体位、呼吸法、マントラ(呪文のようなもの)から、初期段階(実践瞑想)、効果が出始めた頃(境地瞑想)、そして終了までがまとめられている。一般的な教則本であればここで終わりだが、本書が力が入れているのはむしろここから。脳のメカニズムに従って、瞑想がどれほど心情、精神状態、生活態度、対人交渉などに貢献しているかの力説が続く。

それによると、瞑想とはつまり、自らの「頭」がああしろこうしろと横槍を入れてくるのを回避(棚上げ)することであり、まったく無の状態で自らを見つめ直すことであるようだ。見つめ直すというと、「考える」という行為が伴うと思いがちだが、そうでなく、瞑想が深まるにつれ、完全に忘れていた過去の自分や当たり前すぎて見えなかったものが鮮明な映像として浮かんでくるという。こうした体験をすると誰でも嫌なことが気にならなくなり幸福になれるというのだからついつい惹かれてしまう。

というわけで、本書に従って瞑想してみた。しかし、初めてだったということもあり思うようにはいかず、ただ目をつぶってじっとしているだけという結果に終わった。それも当然だろう。実行しながら私は「瞑想しなきゃ、瞑想しなきゃ」という強迫観念にとらわれていたのだから。つねに時間に追われ背後が気になって仕方のない私。こうした私こそ、継続的に瞑想をすることが必要なのだと本書によって気づかされた。


始めよう。瞑想―15分でできるココロとアタマのストレッチ” への2件のコメント

    • kaiさん、コメントありがとうございます。
      読了してから1週間ほど試してみましたが、気が散りやすい性格なのでなかなかうまくいかず、継続を怠っていました(>_<) もう一度読み直して再チャレンジしたいですね。

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